ヒッカ@エレのくだらない何か

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思い出のドレス

学校終わり。

有之 無子は、いつものようにプリパラへ行こうとしていた。

プリチケをスキャンし、プリパラの中に入る。

自分を待っているであろうチームメイトの処に行こうとすると、誰かに声を掛けられた。

 

「無子。少しいいかしら?」

「ん?・・・あぁ、千ちゃん、どうしたの?」

 

なこを呼び止めたのは、なこの所属チームであるRare Fallenのプロデューサーである霧鳥 千。

曰く、彼女は別の世界から来たのだという。

 

「いえ、実は・・・貴方に着てほしいコーデがあるの。」

「私に?いいけれど・・・ブランドは?」

「ブランドは・・・Prism Stone、になるのかしら?」

「Prism Stone?ならもっと適任が居るんじゃないの?そーしとか、メルレちゃんとか」

「確かにブランドだけで言えばそうかもしれないけれど・・・でも、これはどうしても無子に着てほしい。」

 

そう言って千がなこに渡したのは、3枚のプリチケ。

ワンピースとシューズとヘアアクセの組み合わせだ。

全体的にピンク色で、あちらこちらにリボンが付いており、スカートにあたる部分には虹色の装飾が付いている。

 

「ああ・・・確かにこれは納得だわ。名前は・・・プリズムリンクメモリアルドレス?」

「えぇ。私にとって、とても思い出深い・・・大切なドレス。それを貴方に着てライブしてほしいの。私じゃ、‘あれ’以外で満足なショーは出来ないから」

「・・・本当にいいの?」

「いいわ。私の元でずっと隠れているより、誰かに着てもらった方が本望でしょうから。」

 

そう言った千の顔は、何処か悲しげに見えた。

 

「・・・千ちゃん。大丈夫?」

「え?あぁ、大丈夫よ!とにかく、そんな訳だから宜しくね!」

 

そう言って、千は走っていった。

 

「そういえば、ファージャさんと話す事があるとか言ってたっけ・・・」

 

なこはプリチケをトランクの中へ仕舞うと、チームメイトの処へ向かっていった。

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チームのいつもの集合場所となっている、噴水の前。

其処になこは立っていた。

・・・のだが。

 

「そうだ・・・今日2人共用事で来れないんだった・・・」

 

チームのリーダーである姫城 希咲は、企業パーティに親と共に同行。

もう1人のチームメイトである高所 落下は、委員会で閉園までに終わるか解らないそうだ。

 

「今日のライブどうすんのよ~・・・」

 

なこが途方に暮れていると、遠くから自分を呼ぶ声が聞こえた。

 

「あー!なこさーーーーーーーん!!!」

「・・・この大声は」

 

なこが声のした方を向くと、薄紫色の大きなツインテールの少女が走ってくるのが見えた。

 

「・・・らぁら」

 

彼女は真中らぁら。

パラ宿の神アイドル、SoLaMi❤SMILEの1員。

 

「どうしたんですか?そんな顔して・・・」

「希咲も落下さんも、用事でプリパラに来れないのよ・・・今日のライブどうしようかな、って」

「そっか、此処のプリパラはアイドルタイムシステムが導入されてないんでしたね。」

「えぇ。アイドルウォッチだけ支給されてるけど、やろうと思えばいつでもライブが出来る状態よ。というか、何でらぁらがこんな処に?パパラ宿でプリパラ盛り上げてるんじゃなかったの?」

「実は、パパラ宿のプリパラを宣伝する為に各地を走り回っているんです。」

「夏休みなのに?は~・・・お疲れ様。それで此処まで来たと。」

「はい!ゆいも一緒なんですよ!」

「・・・私の目にはらぁらしか見えないけど?」

「あ、ゆいは今別の処に行ってます。Fantasy Timeのコーデを着た人が居たとかで、そっちの方に走っていっちゃって・・・」

「Fantasy Timeのコーデ・・・となると、のりちゃんかしら。4月に入ってからまた新しくアイドルが増えたのよ。」

「やっぱり此処のプリパラも順調に盛り上がってるんですね・・・あ、そうだ!それなら私と一緒にライブしませんか!?」

「え、いいの?それならお願いしようかしら。丁度着てほしいって頼まれたコーデがあるの。」

 

そう言って、なこはトランクから先程千に貰った3枚のプリチケを取り出した。

 

「わあ~、可愛い~!プリズムリンクメモリアルドレス・・・あれ?このコーデ、何処かで見た事があるような・・・?」

「え?このコーデを知ってるの?」

「う~ん、見た事ある気がするんだけど・・・でもやっぱり思い出せない・・・因みに、誰から頼まれたんですか?」

「千よ。」

「せんさん・・・何か関係があるのかなぁ。そういえば、私が最初にせんさんを見た時も、何処かで会った事があるような気がしたんです。」

「もしかしたら、何処かで会った事があるのかもしれないね。」

「「うわっ!?」」

 

突然声を掛けられ、2人が声のした方を向くと、其処には黄色の髪に黒いコーデを纏った少女が立っていた。

 

「あぁ、御免ね。驚かせるつもりは無かったんだ。」

「えっと・・・貴方は?」

「・・・ひじり。4月からデビューしたアイドルの1人。」

「パラ宿のらぁらちゃん、だよね?宜しく。」

「あ、はい、宜しくお願いします!」

「それで、どういう意味?らぁらと千が何処かで会った事があるのかもしれない、って・・・」

「・・・プリズムの煌めき。」

「「え?」」

「過去に、プリズムの煌めきが・・・2人を導いてくれたんだろうね。」

「・・・何を言っているの?」

「折角だし、そのライブ。僕も一緒に出てもいいかい?」

「・・・私は構わないけれど。」

「私もいいですよ!もしかしたら、2人と一緒にステージに立てば、何か思い出せるかもしれませんし・・・」

「決まりだね。じゃあ、早速行こうか。」

 

3人は、プリパラTVへと向かっていった。

 

「彼女・・・覚えていたのか」

 

ひじりが呟いた言葉は、誰の耳にも入る事なく虚空へ消えていった。